大西 長利

大西 長利
漆芸家
東京藝術大学名誉教授
今年も世界の漆を愛する皆様にご応募いただきました。
審査の第一印象を率直に申し上げますと『出尽くしてしまった、色々な作品が同じ様なレベルに達してしまった』感があります。
全体のレベルが上がったと言うのは良い点ですが、形や表現は違うがどこか影響し合っている。
気軽に情報を取ってこられる時代です、良くも悪くも。
賞をつけると言うのは何かの意味がないとつけられない。
パッと変わったところを見せないといけない。
もちろん奇抜な事だけを言っているのでは無い。奇抜さは人の目を引く、代表として選ばれていくとなるとその様な要素もあるにはある。このあたりは公募展のある種限界といったところ。
大賞の作品は構成物が面白く生かされている。自由奔放に表現しているところが良い。広い空間を凝縮しながら展開し広々としていてこだわっていない。
同時にちょっと物足りなさ(儚さ)も感じる。上手くまとまり過ぎてしまう。
もっと揺らがないと…その中に竹らしさを裏切るような要素もあっていいのではと思う。さらなる飛躍を期待しております。
漆の確固たる要素を引き出すだけでなく変わりゆく要素を見出し続けていかなくてはならない。
「技」を生かすにはそこに物語性・詩性・哲学的なもの、その作品、場所に必要なものがないと生きてこない。
作品を通り抜けて世界が見えるか、何が残るか、何か残らないとダメだ。
展覧会としても何か重要なことが時代の中に残っていく事を期待したい。
