講評会
審査員特別賞受賞作品(7点)について(2/7)
棗 ─────次は、山村真一賞です。山崎夢舟様の「乾漆南瓜型虫籠箱(蟻と螽斯)」でございます。山村真一先生、お願いいたします。

山村 真一 賞
乾漆南瓜型虫籠箱(蟻と螽斯)
Kansitu kabotyagata musikagobako(ari to kirigirisu)
W26 × D20× H16 (本体)、W27.5 × D39.5× H1 (台)
山崎 夢舟
YAMAZAKI Mushu(Japan)
山村真一 ─────これは本当にかわいらしい作品です。イソップ物語の「アリとキリギリス」という懐かしい物語がありますが、子どもの頃にかぼちゃを削って作った虫かごを思い出しながら、「アリとキリギリス」を表現した作品です。高蒔絵の細かい技術を生かして、籠の中の昆虫が見事に描き出されています。かぼちゃを割った断面が虫かごの前面になっていて、本当にかわいらしい虫たちが中で動いているように見える、かぼちゃ型の乾漆の作品です。
外側はまさしくかぼちゃの様相をしていて、断面は本当に見事にかぼちゃ色といいますか、おいしそうな色に塗られ、その中に閉じ込められたアリとキリギリスを眺めていると、にっこり笑って子供の頃が思い出されてくる。今の時代にこのような穏やかな作品が出されたということは、山崎さんの素晴らしい発想力とパワーがあってのことで、最近、IT、AIという難しい用語が満ちあふれている中で、シンプルにイソップ物語を再現してくれたということで、評価させていただきました。素晴らしい作品です。おめでとうございます。
棗 ─────山村真一先生、ありがとうございました。
