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開催概要  Prospectus

審査員特別賞受賞作品の講評

[大西]  主な賞が決まった後に、各審査員がお一人ずつ決めている審査員特別賞がありますので、その紹介をしたいと思います。栄久庵先生のご推薦は中国の「雨後の小憩」ですが、ご感想をお願いします。

写真 [栄久庵]  これはとてもユーモラスな作品です。皆さんもご存じの伊藤若冲(いとう じゃくちゅう)といえば言いすぎかもしれませんが、その中国版という感じがします。つまり、池の周りの風景を素直に自分と結び付けて表現しており、どちらかというと、植物の葉と小鳥との関係を童話的にまとめたような、言うなれば童話的詩情のあふれる作品です。
 緑色がこれだけ使われているものは大変珍しく、緑に対して小鳥の黒色が意外と合っていて、なかなかしゃれた、ユーモラスな作品です。私の想像では、この作品がおそらく今後の作者の創作の方向性に影響すると思っています。その代わり、意図をしっかり述べておかなければいけないという意味で、今のようなことを申し上げました。
 漆の世界に参加しにくいのは一番困ります。童話のようなこの作品は、そういう面では非常に参加しやすいので、私の意図としては、これ自身よりも、むしろその後の展開が広くなるだろうという気持ちが先に立ちました。
 実際に見ても、憎めないというか、誰もがかわいいと言うような作品で、大らかな気持ちになります。ほかの作品と少し感じが違いますが、ドラマが最初にあるという点では、グランプリを取った許Kさんと同じ中国の馮暁娜さんの作品ですが、共通の何かがあるのではないかということで推してみました。

写真 [小松]  私は乾漆の蓋物の「奏」を選びました。作者の小林徹男さんのコメントを見ると、湿地帯に生える緑と白のきれいな、非常に力強い水芭蕉のイメージをデザイン化した形態とされています。少し飛び出しているのは、蓋の持ち手です。水芭蕉は白と緑というイメージですが、黒でまとめていますが不思議と違和感はありません。じっと見ていると、私だけかもしれませんが、黒が白になって見えるような、非常になめらかな感じを受けます。
 ポットの形式ですが、蓋を取ると内部はきれいに機能化されており、水を入れて花を生ければ、花器としても素晴らしい用途が考えられるのではないかと思います。内部は栗色でまとめてあります。外の黒と内部の栗色も、非常に清潔で落ち着いた感覚でまとめられています。
 それから、蓋留めも非常に造形的な要素を含みながら機能的な役割を果たしたデザインになっています。外部は黒から、底の方に行くと梨子地的なものでまとめてあり、全体的に非常にモダンで、一つの新しい提案が感じられる作品でした。用と美が高い次元でまとめられたものとして選びました。

写真 [前]  私が選んだ「春秋大皿」は、直径50cmほどの大きなお盆です。手前の作品は縁に桜、奥の作品が縁に紅葉で、春と秋のものを施してあります。作品としてはアート的な形ではなく、普通の輪島塗で使いやすい形で、その縁に模様を施したものです。桜の方は沈金で、のみで彫ってあり、白っぽいことから考えて白金か何かで色を表してあります。紅葉は蒔絵で、全面に描いてあります。縁のところだけに模様が描いてあるので、器物としては使いやすいというか、楽しめる形です。特別変わった形にせずに、素直に使い勝手の良いものになっています。

[大西] 輪島からの出品で、前先生の説明のように堅実な素晴らしい作品だと思います。

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