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講評会

講評会

漆の新しい広がり

今回が第 11 回展となる「国際漆展・石川 2017」は、11 の国と地域から、176 点の作品応募がありました。
4 月 14 日(金)の画像による1次審査会で8の国と地域 81 点の作品が通過し、展示会に向けて 7 の国と地域 80 点の作品が寄せられてきました。そして 6 月 29 日(木)の本審査会で 16 点の入賞作品が決定しました。
本審査翌日の 6 月 30 日(金)に開催したこの審査結果発表・講評会では、審査員の皆様方から審査結果の報告と入賞作品に対する講評を頂くとともに、本審査を振り返っての感想や漆の明るい未来像への期待などを語って頂きました。本稿では、その概要をご紹介します。

日 時
平成 29 年 6 月 30 日 ㈮ 午前 10 : 00 〜 正午
会 場
金沢商工会議所会館 1 階ホール
講 師
大西 長利
漆芸家、東京藝術大学名誉教授
 
川上 元美
(公財)日本デザイン振興会会長、㈲川上デザインルーム代表
 
山村 真一
デザインコンサルタント、㈱コボ代表取締役社長
 
山田 節子
デザインコーディネーター、㈱トゥイン代表
 
内野 薫
漆芸家、石川県立輪島漆芸技術研修所講師
 
田中 信行
漆芸家、金沢美術工芸大学教授
 
山村 慎哉
漆芸家、金沢美術工芸大学教授
司 会
荒川 隆男
国際漆展・石川開催委員会副委員長
(公財)石川県デザインセンター専務理事

開会と講師紹介

荒川 ───── ただ今より、「国際漆展・石川2017」の審査結果発表・講評会を開催します。私は国際漆展・石川開催委員会副委員長を務めております、石川県デザインセンター専務理事の荒川です。本日はご忌憚のない意見交換の場としたいと思っていますので、どうかよろしくお願いします。
先生方には本当にお忙しい中、遠くからお越しいただき、ありがとうございました。また、昨日は大変素晴らしい作品の中から賞を決めるという、大変なお役目をしていただき、本当にありがとうございました。
それでは、まず皆さまに、ここにお並びの審査員の方々をご紹介します。なお、本日ご出席の審査委員の皆さまは著名な方々ばかりで、一堂に会するこのような機会はあまりないと思いますので、最後までお話をお聞きいただければと思います。
東京藝術大学の名誉教授で漆芸家としてもご活躍中の大西長利さん、インテリアデザイナーで有限会社川上デザインルーム代表の川上元美さん、デザインコンサルタントで株式会社コボ代表取締役社長の山村真一さん、デザインコーディネーターで株式会社トゥイン代表の山田節子さん、漆芸家で石川県立輪島漆芸技術研修所講師の内野薫さん、漆芸家で金沢美術工芸大学教授の田中信行さん、漆芸家で金沢美術工芸大学教授の山村慎哉さん、以上7名の方々です。どうぞよろしくお願いします。

開催概要と経過報告

荒川 ───── それでは、最初に私の方から本展の概要および経過について簡単にご説明します。お手元にお配りした「本審査結果概要」をご覧ください。
本展は、漆の新しい広がりを目指す国際公募展として1989年(平成元年)に始まり、今回で11回目となります。漆を用いた新しい生活提案や新しい感性の提案等を広く国内外に求めることで、漆産業の活性化と漆を通じた国際交流の推進、さらには生活文化の向上を期待して開催してきました。
今回の出品状況については、昨年の8月から作品を公募し、世界11の国と地域から176点の応募がありました。去る4月14日に本日おみえの大西長利先生、山村真一先生、山村慎哉先生、そして御手洗照子先生の4人で、画像による第1次審査を行っています。大変厳しい審査となりましたが、世界8の国と地域から81点の作品が第1次審査を通過しました。
通過点数としては前回を10点ほど上回っていますが、これはこの秋に行われます、漆芸を含めた工芸の祭典である「21世紀鷹峯フォーラム第三回in石川・金沢」の関連事業として位置付けていることもあり、できるだけ多くの作品を秋の展覧会でご覧いただくためです。
そして、昨日、本審査を行いましたが、第1次審査を通過した80点の作品が送られてきました。大変な力作ぞろいで、本審査も大変厳しいものとなりましたが、入賞作品を決定しました。そのうち大賞の作品1点と金賞の作品2点を、今、皆さまの前に展示しています。また、その他の審査結果はお手元にお配りした入賞者名簿のとおりです。
以上が概要および経過ですが、これからの進行については、第1次審査と本審査の両方において審査委員長を務めていただきました、大西長利先生にお願いしたいと思います。初めに大西先生から第1次審査と本審査の概要についてご報告を頂き、その後、入賞作品に対するコメントを各先生方から頂いて、最後にそれぞれの先生方から審査を振り返ってのご感想や新しい世代への期待、ご意見などを頂ければ幸いです。
それでは大西先生、よろしくお願いします。

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